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なつかしき景色のチカラ〜「ニセコ町ふれあい町民運動会」出場記

2026/07/15
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入見転換(いりみてんかん)
入見転換(いりみてんかん)
ヒトとしての寿命を3分の2終えて、合気道と書道と家族との時間にささやかな幸せを感じています。ラジオニセコのよろずやです。

幼児もお年寄りも参加

暮らしの中で、人づきあいでも仕事でも、難しいことを簡単にするのは難しいと感じています。肩のチカラを抜くとパフォーマンスが上がるそうですが、なかなかできないのと同じように。でも運動会には、それをいとも簡単にかなえるチカラがあるような気がします。

ニセコ町の大きなイベントの一つ「ふれあい町民運動会」が、今年は7月5日(日)にニセコ小学校のグラウンドで行われ、大勢の町民や応援の関係者らでにぎわいました。

この運動会は今年で19回目を迎え、町民が町内会ごとのチームに分かれて優勝を競うものです。年齢制限はなく、幼児からお年寄りまでが、お昼ご飯をはさんで午前10時から午後2時30分までの4時間30分にわたり、12の競技で捧腹絶倒の熱戦を繰り広げました。

種目は以下の通り、ゆる〜く、誰もが楽しめるものばかりです。「フープくぐり」「ナイスキャッチ」「長縄跳び」「背中合わせて」「ニアピンゲーム」「紅白玉入れ」「むかで競争」「幼児競争」「四方綱引き」「キックラグビー」「幸運の椅子」「年代別リレー」。

私は職場がある中央町内会のチームに入れていただき、午後から行われた「幸運の椅子」という種目に出場しました。何やら意味深な種目名ですが、ルールは簡単です。

スタート地点からまず約10メートル先まで移動し、封筒に入れてグラウンドに置かれている「指示書」を一つ選んで開封します。その指示書には自分が座るべき椅子が書かれていて、競技者はその椅子へ移動して座ります。出場者がするのはそこまでで、あとは運を天に任せます。

と言うのは、各人が座った椅子の後ろには係員がそれぞれ居て、全員が座り終わったところで、それぞれの順位を示すカードを一斉に掲げ、それで順位が決まるというルールだからです。

ですから、指示書が置かれている所までの距離を早く走っても、遅く歩いても、順位を左右することにはなりません。すべては封筒に入った指示書を選ぶことの「運」で決まるのです。故に「幸運の椅子」。

様々な経験をして来た年長者だけが参加できるこの競技の意味が、わかったような、わからないような気がしました。

結果、私は3位。「日頃の行いが順位を左右するからね、頑張らないでね!」とチームの先輩から送り出された意味が、腑(ふ)に落ちるひとときでした。

お弁当の時間

お昼休みには、チームごとに用意されたお弁当を参加者が車座になっていただきました。

こんなに大勢のみなさんと共にいただくお弁当は久しぶりで、空腹とおしゃべりが何よりのごちそうでした。昨今の運動会はお昼前に終わってしまうことも多いそうですが、今や数少なくなった、お昼をはさんでの町民運動会。田舎生まれの私は、あの懐かしい小学生時代の運動会を思い出しながら、卵焼きやザンギをほおばりました。

その時見えた光景には、喜怒哀楽のいずれもが少しずつあったように思います。

競技を終えてチームのテントに帰って来るそれぞれの顔には、喜びがあふれていました。

怒りはきっとどこにもなかったことでしょうが、そのことの有り難さを感じさせる時間でもありました。

かつてここに居てきょうは居ない町民の方に思いを馳せてみると、胸が哀愁の思いでいっぱいになりました。

楽しそうな会話は、もちろんそこここで交わされていました。

次世代へつなぐバトン

競技はいよいよ最後の「年代別リレー」で最高潮を迎えます。

各チームから選ばれた精鋭が、男女入り混じって年代別に走り、本気で順位を競います。テントの応援団も総立ちになって声を張り上げます。グラウンドには選手の滑走で土煙が上がり、バトンをつなぐ時には、中には転倒する選手もいて、緊張感が漂います。

ゆる〜く楽しめる競技が多い中で、このリレーだけは少し空気が変わります。

そして最後の選手がゴールし、運動会はすべての競技を終えました。表彰式では順位が最下位のチームから発表され、優勝はなんと、私が所属した「中央チーム」でした。

直会(なおらい)は、各チームの町内会館などで夜遅くまで行われ、親睦を深めました。私たち中央チームは、町内会のみなさんが用意してくれたバーベキューで祝杯を上げ、労をねぎらい、語り合いました。

普段の暮らしの中で、人づきあいでも仕事でも、難しいことを簡単にするのは難しいと感じています。でも運動会には、それをいとも簡単にかなえるチカラがあるような気がしました。

幼児も、お年寄りも、役場職員も、町内会のみなさんも、応援に来た人も、グラウンドに集まって、笑い、走り、食べ、声をかけ合う。その光景に私は「これこそがニセコ町のニセコ町たる所以(ゆえん)」と感じました。

来年、遊びに来てみてください。

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