本好きの私は、行く先々で本のあるところに行きたくなる。ニセコでよく足を運ぶのは〈あそぶっく〉という図書館。
ニセコ町には書店がないけれど、この図書館に行けばいま読むべき本がわかる気がする。新着コーナーに並ぶ顔ぶれは幅広く、映画やドラマとして映像化された作品の原作コーナーにはメディアで見かけるタイトルがたくさん。

原作コーナーには日本アカデミー賞でも話題になった『爆弾』、10月に映画公開予定の『汝、星のごとく』、ドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』など
5月に行ったときには新着コーナーに古賀及子さんのエッセイ『私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている』があり、そうそう、これ読んでみたかったんだ、とうれしくなった。ニッチな本があることに、この図書館には私と好みが似ているひとがいるのかな、と思ったり。

『エモい言葉の日常』や『シン・短歌入門』なんかも気軽に読めて、観光中にひと息つくのに寄り添ってくれそう
レシピ本の棚には私のお気に入りの一冊、平野紗季子さんの『おいしくってありがとう 味な副音声の本』も。これはレシピが書かれた本ではないけれど、食についておしゃべりするポッドキャストを書籍化したものだから、いろんな“おいしい”が詰まった棚に違和感なく馴染んでいる。

私の推し本はこのとき図書館でも推されていたのか、表紙が見えるように配置されていて思わずにっこり
絵本も豊富で、季節にぴったりの作品を紹介してくれるコーナーがある。私は絵本もときどき読むので、こうして絵本の世界から季節の移ろいを感じられるのがうれしい。

春におすすめの絵本たち。物語はもちろん、表紙の彩りにも春らしさが表れている
この図書館の棚のつくりかたがなんだかとっても好きだなあ、と思う。
大きな図書館ではないけれど、心を配りながら選書・棚づくりをされているように感じる。ひとの手でつくられている感じがする、というのだろうか。温度がある。
スタッフさんにお話を伺うと、選書はだいたい週1でおこなわれているそう。私が想像していたより選書の頻度が高くてびっくり。細かい頻度で選書されているから、こんなふうに棚がいきいきとしているのかな。
出版社の方が台車に載せて多くの本を運び入れているのを見たことがあるのだけれど、そうして運んできてもらったものの中から図書館に置くものを選ぶのもひとつの選書方法らしい。
スタッフさんはプライベートで書店に行ったときにもつい棚のつくりかたを見てしまうようで、粒ぞろいの素敵な棚はその感性からつくられているのかな、なんて思う。

詩歌の棚には『折々のうた』『サラダ記念日』もあれば、『芸人と俳人』もあるし、メディアでよく見かける「夏井先生」の著書もあり、タイトルを眺めるだけでもたのしい

点字つきの絵本やオーディオブック、手話のDVDで読書をたのしめる「バリアフリー図書」のコーナーも充実

中高生など10代の若者を指す「YA(ヤングアダルト)」におすすめの本を紹介する小冊子があり、図書館で読めるものにはわかりやすいマークが

複数の言語で書かれた暮らしや教育の本、日本の小説を翻訳したもの、多様な文化を知るための絵本など、世界とつながる多彩な本が揃う「インターナショナルセクション」も

入り口の近くには靴を脱いであがる絵本コーナーが。親子で楽しむのにぴったり

布でできた絵本は見て触って楽しめる
札幌にいればいろんな書店に行くことができるけれど、まちの図書館に行ってみるとまた違った本との出会いかたができる。私はそのひとつひとつの出会いを大切にしたい。
この記事を読んでくださったあなたも、ニセコへ遊びに行くときにはぜひ〈あそぶっく〉を訪れてみて。ここならではの本との出会いが待っているはず。
あそぶっく Niseko Library ニセコ町学習交流センター
所在地 ニセコ町本通105
開館時間 10:00〜18:00
閉館日 毎週月(月曜日が祝日・休日の場合は翌日火曜日)、国民の休日、毎月最終金(図書整理日)、年末年始





