初夏のある日、ニセコ駅近くの中央倉庫群で新店を発見。マクロビオティックをベースにした料理を味わえる〈ベジりら〉というお店が、4月末に有島エリアから移転オープンしたらしい。

ニセコ中央倉庫郡の旧でんぷん工場。奥のほうへ行ってみると…

〈ベジりら〉OPENの幟をみっけ。さっそく中に入ってみる
駅チカのカフェで、オーガニックの紅茶をお供にひと休み。
その日は暑く、冷たい飲みものを求めて夕方にふらっと立ち寄ってみたのだけど、ちょっぴり疲れ顔をしていたであろう私に「外はまだ暑かったですか?」とやさしく声をかけてくれて、いいお店の予感。

お店の中はこんな感じ。カウンター上のガラスケースにはグルテンフリーの焼き菓子など(閉店間際に写真を撮らせていただいたので、このときは売り切れています)
メニューの中で気になった「和紅茶べにふうき」を注文。和紅茶は日本で作られる国産紅茶のことで、〈ベジりら〉で提供する「べにふうき」は屋久島でとれたオーガニックの茶葉を使っているという。

“和”紅茶というだけあって、日本茶的な要素も感じて飲みやすい
紅茶って香りが強くてスイーツに合わせるイメージだったけれど、和紅茶を飲んでみると、豊かに香りながらもクセがなく食事にもよく合いそう。疲れた体にすーっと入っていく感じがした。
お店の方々の雰囲気も柔らかく、安心して一息つける場所だった。また来たいと思うと同時に、マクロビ料理のお店なのだから今度はランチをいただかなくては、と思った。
念願の再訪。ヴィーガンにも対応するマクロビランチを堪能。
それから2ヶ月後、〈ベジりら〉を再訪することができたので、お店を営む伊丹さんのこだわりが詰まった「ベジランチ」をいただいてきた。

旬のものをふんだんに盛り込んだプレートは、週によって付け合わせの内容が替わる
「ベジランチ」はヴィーガンの方も食べられる植物性のものだけで作るワンプレートで、お肉が重たく感じるようになったという方にもおすすめ。
〈ベジりら〉の料理は日本の伝統食をベースにした食事法「マクロビオティック」で作られたものだけれど、完全菜食主義「ヴィーガン」の考え方と重なる部分もあり、幅広い方が楽しめるメニューになっている。

来訪時のメニュー(7月下旬)。付け合わせの品数は同じく、メインが異なる「魚ランチ」「カレーランチ」も選べる
この日の「ベジランチ」のメインは、車麩の甘酢くぐり、茄子のハサミ揚げトマトソース添え。お肉を使っていないのに、どこかお肉を食べているような感覚もあり、とくに車麩の甘酢くぐりはごはんが進む味。
ニセコの野菜がたっぷり。素材本来の味が生きる調理。
付け合わせの品数が豊富だからワンプレートでしっかりと満足感を得られるし、多彩な味わいを噛みしめながら、これがすべて植物性なんて、と一品ずつ新鮮に驚くのも楽しい「ベジランチ」。

ごはんの左隣から、さつまいもとりんごのきんとん、にんじんラペ、グリーンサラダ(醤油糀ドレッシング)、ポテトフライ、焼きズッキーニ。中央の小鉢は茄子の味噌炒め、右奥の器はオクラとなめこのスープ
野菜がおいしいエリアだから、やっぱり野菜は地元産のものが盛りだくさん。近くの〈NIWA FARM〉で朝とれたものを仕入れたり、畑をやっている知人からお裾分けをもらったり、そのときどきで旬の食材を使っているみたい。
定番の付け合わせだというさつまいもとりんごのきんとんは、ほどよい甘みがおいしい一品だけれど、砂糖は使っていないという。そのことを知ると、素材の味を引き出してこそ感じられる甘みなのだなあ、と思う。
調理について伊丹さんに詳しく伺うと、化学調味料や白砂糖を使わないだけでなく、そのほかの調味料も複雑なものはなるべく使わずに、どの料理も醤油や塩をベースに素材の味を生かして作っているそう。
また、油にもこだわり、一番搾りのものを使うようにしているとのこと。私は「一番搾りの油」というものに聞き馴染みがなかったのだけど、溶剤を使わずに原料を圧力だけで搾ったもので、安心かつ素材本来の風味が残るのだそう。
素材を生かすために細部までこだわって作られたメニューは、実際に食べてみるとおいしさと同時にやさしさも感じられて、心も体も満たされる。
調子をととのえてくれる寝かせ玄米は、おかずとの相性も◎。
こうして数々の工夫から生まれるおかずに合わせるごはんは、伊丹さんがおうちでも食べているという寝かせ玄米。食感はもちもちとしていて、香りもよく、ヴィーガン対応のおかずとも相性バッチリ。
腸内環境の改善にいいといわれる玄米は、寝かせて熟成させることで酵素が増えるのだとか。伊丹さんの周りでは「寝かせ玄米を食べるようになってから胃腸の調子がよくなった」という声も。
サウナで“ととのう”とよく言うけれど、この寝かせ玄米を含めた「ベジランチ」は“食べてととのう料理”と言えるのでは。そんなことを思う帰り道だった。
カフェタイムには米粉や豆腐で作るスイーツを満喫したい。
ご紹介したランチはもちろん、〈ベジりら〉はスイーツにもこだわりあり。ランチの食後にスイーツをいただくのもいいけれど、私は今度まったりとカフェタイムにスイーツを楽しみたいと思っている。
「スイーツは生クリームとバター、卵を使ったものには敵わないっていうイメージがあるけれど、それに頼らなくてもちゃんとおいしいと感じてもらえるものを作りたいと思っています」と伊丹さん。
私がいま気になっているのは「米粉のバナナケーキ豆腐クリーム添え」。バナナケーキには砂糖不使用のピーナッツバターを取り入れているようで、伊丹さんいわくそのピーナッツバターがないと作れないメニューだそう。今度はこれを食べてみたい。
焼き菓子の販売もあるから、おなかがいっぱいのときはそれをおみやげに買って帰るのもいいかも。ラインアップは時季によって替わるので、気になる方はガラスケースをチェックしてみて。

初めて訪れた日、私はニセコ産の小豆を使ったマフィンをおみやげに購入した
ニセコ駅近くで立ち寄りやすく、ホッと落ち着ける雰囲気の〈ベジりら〉。ランチ、カフェ、お買い物、気分に合わせた楽しみ方で、これから何度も訪れる場所になりそう。
ベジりら
所在地 ニセコ町中央通 ニセコ中央倉庫群旧でんぷん工場内
営業時間 11:00〜17:00
定休日 月、火
Instagram @vegelilac





